「令和に推したい昭和マンガ」第2回
ご無沙汰しています。先日、今年最初の原稿がアップルBOXクリエートの同人誌に無事掲載されたので、さっそくご紹介します。 【タイトル】 令和に推したい昭和マンガ 第2回 棚下照生「小手丸鉄平」 2022/03/10 アップルボックスクリエート 「漫画市」 第32号「桑田次郎追悼号 PARTⅡ」 【作品の初出】 芳文社「痛快ブック」連載 (1956年1月~12月) 【概 要】 「小手丸鉄平」の特徴をあげながら、棚下照生の時代劇の魅力を紹介。また、 棚下先生と同時期に漫画家デビューし棚下作品に影響を与えた武内つなよしの「赤胴鈴之助」と比較したりしながら、棚下作品のテーマが登場人物の〈幸せ〉であることを明らかにする。 1.「小手丸鉄平」を読んだきっかけ 「小手丸鉄平」を読んだのも、前回の「矢車剣之助」と同じで、主人公の着ている着物の模様がきっかけです。 横山光輝先生の漫画「闇の土鬼」に出会って以降、着物の模様(通称:土鬼模様)が様々な名作品と縁を結んでくれるので本当にビックリです!(笑) 2.「小手丸鉄平」を選んだ理由 第2回のテーマが「小手丸鉄平」である理由は、第1回で紹介した「矢車剣之助」に影響を与えた作品であり、私自身、棚下先生の剣戟漫画は名作だと感じたからです。 棚下先生の時代劇は、勧善懲悪の型にはまらず、登場人物の幸福や不幸をテーマにしているため、人物の関係や心情の変化に富んだドラマチックな作品が多いと感じています。「小手丸鉄平」で特に魅力的なのが、主人公と道中で出会うライバルたちの関係性です。勧善懲悪のために用意された反面教師的なライバルではなく、それぞれ夢や信念を持ったライバルキャラが登場するので、毎回読んでいてワクワクします! 残念ながら、棚下先生の作品はアップルBOXクリエートから復刻されている『鉄人指令Z』、『ヒマラヤ天兵』、『霞の三郎』と一部の短編以外はほとんど復刻されていません。また、棚下先生の作品、特に少年漫画は単行本化されていないものも多く、集めて読むのが難しい状況です。 第3回以降も棚下先生がらみの作品を紹介する予定なので、今後自分の書いた紹介文がきっかけで、棚下先生の作品と現状を多くの人に知ってもらえたら良いなと思っています。 次回の投稿もお楽しみに!☆彡