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「令和に推したい昭和マンガ」第3回

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ご無沙汰しています。先日、新たな原稿がアップルBOXクリエートの同人誌に無事掲載されたので、さっそくご紹介します。  【タイトル】 令和に推したい昭和マンガ 第3回 加賀五三六「清水ジロ長」 2022/06/30 アップルボックスクリエート「少年なつ漫王」 第56号「「少女」昭和29年~30年大特集」 【作品の初出】 秋田書店「冒険王」連載 (1962年6月~12月) 【概  要】  「清水ジロ長」の特徴をあげながら、加賀五三六(棚下照生)の少年漫画から青年漫画への変化について紹介。 映画の影響や作者の人生観の変化から、青年漫画に繋がる棚下時代劇の型を明らかにする。  1.「清水ジロ長」を読んだきっかけ  誓和堂の高橋さんとまんだらけの今入さんから加賀五三六先生と棚下照生先生が同一人物であることを教えていただいたのがきっかけで読みました。   本誌は国立国会図書館にあり、遠隔複写サービスで揃えました。 図書館に無かった付録も、早々ネットオークションで購入することができ、全話通して読むことができました。   知名度の低い作品のため、集めるのは困難かもしれない、2~3年かかるだろう…などと予想していたのですが、とんとん拍子で揃えることができ、本当に運が良かったと思います。  2.「清水ジロ長」を選んだ理由   「清水ジロ長」を選んだ理由は、下記の3点です。  ① 50年代と60年代の棚下少年時代劇の比較   1つ目の理由は、第2回の「小手丸鉄平」と合わせて読むと、棚下先生の50年代と60年代の少年時代劇が比較することができるからです。  棚下先生は描く時期によって絵柄が変化しているので、50年代の作品と60年代の作品を比較すると絵の違いが激しくて驚きます。  ② 着物の模様の逆輸入   2つ目の理由は、第1回で紹介した堀江卓先生の「矢車剣之助」の着物の模様が逆輸入されているからです。  「矢車剣之助」では、「小手丸鉄平」に強く影響を受けた堀江卓先生が鉄平の袴の模様を剣之助の着流しに引用し、さらに剣之助のシンボルとして活用していました。逆に、「清水ジロ長」で棚下先生はジロ長の着物全体に模様を使い、付録表紙のカラーイラストでは剣之助の着物と同じ黄色を用いています。  棚下先生と堀江先生の影響関係が垣間見えるのは、とても面白い事象だなと思います。  ③ スランプと棚下先生の変