「令和に推したい昭和マンガ」第1回
2022年もブログと中の人をよろしくお願いします!☆
さて、新年1発目の投稿は、去年掲載された「令和に推したい昭和マンガ」第1回の振り返りと補足を書きたいと思います。
【タイトル】
令和に推したい昭和マンガ 第1回 堀江卓「矢車剣之助」2021/10/31 アップルボックスクリエート「少年なつ漫王」
第55号 「「日の丸」33年~34年大特集」
【作品の初出】
光文社「少年」連載
(1957年8月~1961年12月)
【概 要】
「矢車剣之助」の特徴をあげながら、作品がヒットした背景や、堀江卓先生の作家史を紹介。同時期に「痛快ブック」で活躍していた棚下照生作品の影響や、剣術矢車流の起源を明らかにする。
1.「矢車剣之助」を読んだきっかけ
原稿にはあまり書いてませんが、「矢車剣之助」を読んだきっかけは矢車剣之助の着ている着物の模様です。
先に読んだ横山光輝先生の漫画「闇の土鬼」に登場する主人公の着物の模様(通称:土鬼模様)の意味が知りたくて模様のサンプリング調査をしていた時に、同じ模様が描かれている「矢車剣之助」を知り、アース出版社版の単行本を読みました。
読みながら剣之助の屈託の無い笑顔と城がキャタピラーで走る姿にすっかり夢中になりました。動く城の戦車の迫力最高です!(笑)
2.「矢車剣之助」を選んだ理由
第1回のテーマが「矢車剣之助」である理由は、次の①~②です。
① 作品の特徴が明確で紹介し易いから
「矢車剣之助」は、毎回、事件が起きて主人公が解決すると言う非常にシンプルな構造のストーリーで展開しますが、建物や町を揺るがす規模のダイナミックなカラクリと拳銃を使った派手なアクションによって終始ワクワクしながら読める作品となっています。
そして、この時代劇なのに派手な堀江先生の作風が生み出されたきっかけは、芳文社の編集者だった藤本七三夫さんのアドバイスによるもので、藤本さんのエッセイ「俺らはコミック編集長」や、朝日新聞 大阪地方版「郷土出版だより」などで紹介されています。
「矢車剣之助」をテーマに選んだ1番の理由は、作品の特徴とその起源が明確で、初回の投稿でも自信持って紹介し易いと思ったからなのです。
② 第2回への布石になるから
第1回の原稿に着手した当初、すでに第2回のテーマを決めていました。
またもや土鬼模様がきっかけでハマった棚下照生先生の「小手丸鉄平」です。
正直、同じ模様の着物を着ている主人公がいる漫画にハズレは無いと思っています!!(笑)
棚下先生と堀江卓先生がどの程度関りがあったかの詳細は不明ですが、同時期に2人とも芳文社の『痛快ブック』で漫画を描いており、自分の作品で相手の名前を引用し合うほど、お互いを意識していたようです。
『痛快ブック』に掲載された棚下先生の「小手丸鉄平」と堀江先生の「つばくろ頭巾」を並べて見ると漫画家2人のやりとりが垣間見えます。
堀江卓「つばくろ頭巾」に登場した棚下照生
棚下照生「小手丸鉄平」で誉められる堀江卓
ちなみに、「つばくろ頭巾」の該当部分は単行本化された際に台詞が変更されており、今販売されてる復刻は単行本の版を基にしているので、“先生”が“棚下照生先生”と確認できるのは連載当時の付録本のみのです。付録本は入手するのに苦労しました…。
と言うわけで、「矢車剣之助」をテーマに選んだのは第2回の投稿の布石でもあったのです。
3.「矢車剣之助」を紹介してみた感想
原稿のために「矢車剣之助」を読み返して印象に残ったのは、堀江先生の読者を楽しませたいと言う熱意と工夫の数々でした。
次から次に起こる事件に立ち向かい、爽やかな笑顔を振り撒く、そんな剣之助の戦いに惜しみ無くアクションとカラクリを散りばめてくれる堀江先生の気前の良さを再確認し、より一層「矢車剣之助」が好きになりました。
今年掲載予定の第2回も1月~2月ごろには発行されるようです。今後も、投稿の告知や感想をブログに書こうと思ってます。まだまだ投稿はじまったばかりですが、第5回とか10回とか、区切りのいい回数まで続いたら感想をまとめた総集編をやってみても良いかもしれませんね(笑)
次回もぜひお楽しみに!
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